犬の病気「耳血腫(じけっしゅ)」を愛犬が3回も経験しました。発病年齢は11歳で2回、13歳で1回です。冷やすのはダメです。。初期~限界の症状、自然治癒、手術、治療費用、予防法に至るまで、徹底的にリサーチした上でブログに記録しました。
目次
犬が耳血腫になった「初期の症状」
耳の下の方が厚みが1センチ以上になった時 ⇑
耳血腫は耳介(耳たぶ)が内出血を起こしてふくれ上がった状態になります。
~特徴~
・水ぶくれなどとは明らかに違う
・耳の一部や全体をさわると血が溜まってブヨブヨとした感触
・耳を重たそうにしたり、引っかいたりする
うちの犬は1回目は全体が、2回目と3回目は耳の下1/3だけに血が溜まってふくらんでいました。
※以下はアイリスプラザより引用
痛がるよりも痒がる場合が多く、頭を振ったり脚で掻いたりしてますます悪化します。
~別名「ぎょうざ耳」~
見た目や形状から別名「ぎょうざ耳」とも呼ばれます。うちの愛犬は耳の一部分にできたことも、それが広がり耳全体にできたこともあります。人間で柔道などのスポーツで激しく打つなどした場合もなる病気です。
犬の「耳血腫」はマメに観察する!
耳血腫でない耳は「厚みがない!」 ⇑
犬の耳に血が溜まってしまうと「1日も目を目を離さず要・経過観察すること」が不可欠です。理由は、
・自然治癒で治ることもある
・マメに通院する治療で治ることもある
・マメに通院する治療で治らないこともある
・手術して治ることもある
この4つです。我が家の犬は3パターンを経験しました(._.)。
~自然治癒した経過~
1:耳血腫だとわかり2日間に渡り通院知用 ⇒ 翌日にはふくらみがなくなっていて自然治癒(半日~1日ほど)
~治療に通って限界を感じた経過~
2:毎日通院して治療する、しかし半日~1日で血が溜まる・血の量が日ごとに増える・血溜まりの範囲も広がる・・ ⇒ 2週間犬もがんばって血を抜かせてくれたが、苦しいし通院では手に負えないと判断、「手術」に至る
1は運よく自然と耳のふくらみが消えて「自然治癒」した状態です。治癒後は耳の内部にうまく吸収されるような形で、耳の厚みがが多少分厚くなります。
2は症状の改善が見えず(血液量が減る・範囲が狭くなるなど)、むしろ悪化して2週間以上犬も私も疲れてきて、手術に至りました。
犬の「耳血腫」は半日や1日でアっという間に「血液量がアップしたり範囲が広がる」こともあるため、目が離せない(要観察)
■犬の耳血腫「冷やすのは意味がない」
信頼おけるかかりつけ医にも質問しましたが、
・耳血腫は“冷やす”等をしても意味がない、治癒しない
という答えをもらいました。誤って冷やせばよい、と思いこんでいる人もいるようなので、ここに記載しておきます。
犬の耳血腫「溜まるスピード」が早いならスグ病院へ!
犬の耳血腫に気づいた飼い主さんは、
・血が溜まるスピードが早く、半日~1日でドンドンふくらむ
・血の溜まる範囲が1日くらいでドンドン広がっていく
これらの場合、
■その日や翌日には「病院に行って診察、治療を受ける」
という早い対処が必須です。
3回の経験からも言えるのですが、血でブヨブヨした範囲が朝に3センチ四方 ⇒ 夕方には7センチ四方 など血液量がアップする時は本当に早い!のがこの病気だからです。
犬の耳血腫・2週間以上血を抜いたが「手術」になった
耳血腫3度目、2回目の手術後
「耳を包帯で巻かれた」状態 ⇑
これは1回目の手術・全体的に点々・・と縫った跡 ⇑ ⇓
同じく1回目の手術後の耳 ⇑
・昨日にはなかった耳のふくらみ(厚み1センチ以上)が5センチ四方にできている!
⇓
・その日の夕方には7センチ四方に範囲が広がった
⇓
・1日後には9センチ四方に広がった
⇓
「治療スタート」
・毎日毎日、血を抜きに病院へ通った
⇓
・2週間以上続けても血液量が減らず、むしろ溜まる範囲も増えた為、手術を決意
⇓
・手術して溜まっていた血を出し、血が再び溜まらないように点々・・と縫って治療した
⇑ 左が1回目に手術した耳
右は耳血腫になる前の正常な耳
毎日注射で血を抜かれて鳴く犬、連れていく私、両方が「疲れて、改善の兆候が見られない」頃(発症して17日後)に手術を決意しました。ワンコはよく頑張ってくれました。
犬の耳血腫「外耳炎治療とステロイド投与」も
※「治療法」以下はアイリスプラザより引用
1.外耳炎が原因の場合、外耳炎の治療を行う
2.溜まった血液を排泄する
排泄方法には針で毎日抜く方法と、切開をして血液の出口を確保する方法があります。重症例では耳の表裏を10針ほど貫通して縫い合わせ、血液が溜まって膨らまないように外科的処置をとる場合もあります。溜まる前に抜くのが治療のコツで、症状が良くなったからと治療を数日行わずにいると、また元通りになります。治療を初めた1~2週は毎日から隔日の処置が必要です。3.耳を傷つけないように保護したり、血液を吸い取るパットを付ける
4.抗生剤とともにステロイドを投与する
抗生剤とともにステロイドがよく効きます。これは炎症を止めるのみならず、免疫が介在しているためと考えられます。最新の報告ではインターフェロンが効くとの情報もあります。
以上、引用させていただきましたが、私の愛犬のように「手術」しなくても済む症例もあるようです。
犬の耳血腫「治療費用」はいくら?実際の額
手術費用(血液検査・内服薬込み)⇑
うちの犬が治療にかかった費用をタイプ別にご紹介します。
~通院費用~
●「初診」費用:血を抜く、内服薬をもらう2160円
●「2回目以降」費用:血を抜くのみ1回1080円×2週間以上(毎日)
~手術費用~
★「手術」費用:血液検査、内服薬込み37000円ほど
通院するか?手術するか?「判断基準」
「マメに通院して治療するか?手術するか?の判断基準」は、かかりつけ医ともよく話し合いましたが以下です。
・毎日血を抜かれて、注射する際の一瞬の痛みが負担でかわいそう
・私も2週間以上など長引いて疲れてしまった
・血液量が一向に減らず範囲も広がるばかり、良い経過が見られない
以上が「マメに通院か?手術か?の判断基準」になりました。
■2週間など長期にわたって良好な経過が見られない時
■13歳でもその個体が元気いっぱいな時
こういった時はわが家のように「手術」を選択するのも良いと思いました。
もちろん麻酔や犬の心情を考えれば手術も心配です。私もかなり考え迷いました。
費用は「手術」する方が安くつく場合も
耳血腫の治療費用は、「長く通院する」より「手術」する方が安くつく場合もあるようです。
うちの主治医さんの経験では、(50代くらいの医師)最長で30日間通院をがんばってされたワンちゃんがいて、最後の方は毎日ではなく、通院感覚は3日に1回ほどになっていたということです。
このワンちゃんで言えば、通院のガソリン代なども考えれば「手術」する方が安かったという話でした。これも一例ですので治療日数やその他の条件によって、通院と手術どちらが高い安い、と変わるということです。
犬の耳血腫・予防法「個体によって違う」
気になる犬の病気「耳血腫の予防法」ですが、原因や個体によって違います。
※以下はアイリスプラザより引用
<出血の原因は物理的刺激が多い><外耳炎が原因も>
外耳炎が起こり、その痒みから耳を引っ掻き過ぎたり、頭を激しく振る事による物理的刺激が原因となることが多いです。
頭を振った場合、耳介の大きな犬ほど遠心力で大きな力が加わるため、耳が大きく、垂れている犬に耳血腫はよく見られます。
ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ビーグル、マスティフ、バセットハウンドなど。これらの犬では外耳炎を放置すると耳血腫を起こす事が多いです。
<物理的刺激以外の原因>
しかし、大した外部刺激が無いのに耳介内部で出血を起こし耳血腫になる犬も一部では存在します。これらは免疫が介在していると予想されています。この場合は免疫調節の作用があるサプリメントなどで予防することもあります。自己免疫疾患による突発性血小板減少症から耳血腫を起こす例などもあり、耳だけに病気が限定できません。
犬の耳血腫・興奮して「耳をフリフリ」する外部刺激
うちの愛犬は「興奮時」(食事前・散歩中)に耳をフリフリするため、防ぐのがちょっと難しくもあります。元気でそわそわワクワク「落ち着きのない性格」です。
犬の耳血腫・手術後「耳が少し変形する程度」
血を抜き縫合する手術の後は、耳が少し波打つ感じで縮み、変形する程度です。ご覧のように「言われないとわからない」と言われることが多いです。手術前に沿った毛もきちんと生えそろってきます♪
この「耳血腫・闘病記」ブログがあなたの愛犬の参考になれば嬉しいです。(^-^)